虹 それは太陽からのおくりもの

虹のはなし

虹については、デカルトが1637年に出した本の中にあるのが、世界最初の説明らしい。虹が雨あがりあるいは今にも雨が降りそうな、という時に出ることは知っているね。つまり虹をつくる責任者は雨粒なのだ。

説明図

ここに雨粒が1つあるとする(上左図)。小さい雨粒だと、まぁ球形と考えていい。これに左から太陽光線が当たるとする。 aのように雨粒の中心にむかってはいる光線は、一部表面で反射して、大部分は雨粒をつきぬけてしまう。 いずれにせよ、a’の方向に進む。bのところで雨粒にはいる光線は一部反射し、他は屈折して雨粒にはいり、図のように反射してb’へと出て行く。 同様にcではいったん光はc’方向へ、dではいった光はd’方向へ出る。
ところでね、aからb、c、と光のあたる場所が上に行くにつれて、反射して出る光はa’からb’c’、と離れて行くがc’が一番はしになって、dではまたd’ともどってaに近づいてくる。 それで、aからeまでの、雨粒へはいる光線の量は同じだが、表面で反射してしまう光もc付近が少ないし、内部で反射して出て来る光はc’付近に集まってくることがわかるだろう。 このc’方向に反射して来る光線と、入射光線の間の角度が赤い光の場合42°、紫光線の場合40°なのだ。 それで、太陽を背にした人間が、太陽の光線の方向から40°上をむいた時見える雨粒からは紫の光が多く反射して来るし、42°上をむいた方向の雨粒からは、赤い光が多く来ることになり、赤から紫の間に7色のスペクトルができ虹になります。


米山正信著『物理のドレミファ波・音・光』黎明書房刊